樹種や樹齢によって萌芽特性の違いは異なっている。萌芽特性の1つである伐採後の萌芽は、樹齢が高いほど低下する傾向にある(例えば、Matula Rら 2012、山瀬 2012、Šplíchalová Mら 2012、清水ら 2017、大石ら2024)。
切り株の樹齢階級と萌芽数との関係(紙谷 1986 学名でなく和名で表記した):横軸は切り株の樹齢、縦軸は再萌芽数(平均)を示す。樹種や樹齢によって再萌芽数は異なるが、樹齢が若いか古いほど萌芽数が少ない傾向にある。なお、包絡線は最大近辺を結んでいる。
設定された調査地点に存在する樹木の平均樹齢と萌芽枝残存率との関係(清水ら 2017):上図と同様に伐採時の樹齢が高くなると萌芽枝残存率は低下する傾向にある。
萌芽樹齢以外にも伐採する時期によっても効果の程度(株生存率)が異なっている。例えば、コナラ、ミズナラを対象とした例では、切り株の幹の直径が小さいか10㎝未満か、25㎝以上となると1切り株の生存率が低くなる傾向にある(佐藤ら 1999)。すなわち、樹齢が若いか老木の場合は枯死の可能性が高いことを意味している。ヤナギ類での伐採後の萌芽(言い換えれば株の生存率)の検討例はいくつかあるが、樹齢や時期によって、株の枯死率を示した報告はない。